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奥川純一/wrapping paper

¥1,980 税込

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wrapping paper
Junichi Okugawa

『写真集であって写真集でない』8章からなるショートショート

好きなページがあったら、ちぎって壁に貼ってもいいし、ちょっとした贈り物を包むのもいいし…読むだけでなくそんな風に活用してもいいように、紙も含め普段使いのようなラフな雰囲気を感じる写真集にしてみました。いわゆる写真集とはちょっと違う考え方かもしれません。もちろん、そのままの状態で楽しみ続けてもらえたらそれはそれはなんとも嬉しいです。

紙や装丁はコンセプトに合わせて長野県は松本にあります藤原印刷さんのご提案で、表紙はボール紙、本編はザラ紙や包装紙(表面はツルツルで裏はザラザラ)など5種類の紙を使うことにし、通常の写真集のように写真の色をオリジナルに忠実に再現するということではなく紙の雰囲気に合わせる仕上げにしていただきました。写真自体を楽しみながら紙の手触りなど本としても楽しめるという感じになってると思います。

なぜ短編集のように章に区切ったり、紙質を写真向きではない紙たちにしたり、ラッピングペーパーというタイトルにしたのか…自分が"写真集"というものに抱いてきた思いとともにちょっとだけお話をさせていただけたらと。

自分にとって写真集って難しいイメージで、今でも凄いハードルが高いジャンルです。もともと写真をしていたわけではないので、ほとんどの写真集は難解でどう理解していいのかわからず「わからない…」で、まとめてしまうことが多く、分厚い写真集が並んでいる棚は崇高でおそれおおいもの…写真に関わる仕事をしている自分にとってさえ写真集ってそういう存在なので、もっと自然な軽い気持ちで写真集の世界に入っていけたら…という思いで作ったのが今回のwrapping paperです。
始めは、上製本で少し大きめに作る予定で考えていたいくつかのテーマのものを、本来のテーマなんてもう微塵も感じないくらい解体して新たな短編の章立てにしました。
 
小さな頃から本が苦手でカフカの変身ですら読み終えることができなかった自分の本への入り口を開いてくれたのは星新一さんの本で、短編集で読みやすく何冊も買いました。わからない章があっても次に楽しい章があったり、短いがために見直すことも億劫ではなく、なんか気になって何回も観てしまう、写真集もこういう感じだったら、かまえることなく読みやすいのに…そう思いました。
 
そして写真集って、作りが立派なだけに価格もそれなりに高価で、気に入ったとしても簡単には手が出ないことが多いのが悩みの種でした。だったらそんな立派な大層な作りをやめて、カジュアルな作りにして価格もカジュアルにすれば…とも思いますが、ただ、何年もかけてじっくり撮影してきた写真たちなので、じっくり鑑賞して欲しいと考えると、見応えあるサイズでオリジナルに忠実な本来の色合いで見ていただきたいと思うのは当然の流れですが、思いきって考えをリセットし、写真集としての物理的存在の軽さ、持ちやすい大きさと開きやすい厚さ、色の再現力よりも馴染みやすい普通紙や包装紙という紙の軽さ…
かわいい紙って、ひとは保存したりスクラップしたりラッピングにも使うし…ということでタイトルをwrapping paperにして、価格も小部数出版の写真集でありながら内容量に対してもの凄くライトな限界近くまで挑戦してみました。
 
そして、wrapping paperにはもうひとつの意味があり、写真集に限らずですが、どんなに気に入った本でも年齢や環境とともに気分はかわり、あの時はあんなにいいと思ったのに…となった時、名著は別ですが重厚で大層な作りのものは売るに売れず、捨てるのも惜しまれるただの重荷でしかなく…そんな時に「紙」として再利用することで無駄にすることなくもう一度花を咲かせてやってください、そんな意味も含まれています。
 
写真集が大好きな人たちからは、大切な作品集を「ちぎったり、包装紙として使えだと!写真集への冒涜だ!」と思われるどうかはわかりませんが。。ボクの中では写真集は永久保存版ではなく、その人の"ある時期"に寄り添うものであってくれれば…というもので、そしてその写真集はどんな軽い作りだったとしてもひとによっては永久保存版になったりもするだろうし…できれば大切に持っていてくれたら1番嬉しいです。

wrapping paperはそんな写真集なんです

wrapping paper
ラッピングペーパー
1,800円+税

企画・編集・アートディレクション・写真・文、デザイン:奥川純一
判型:A5縦(148x210x14)
項数:224ページ
印刷・製本・装丁:藤原印刷
発行:べつばら出版

【プロフィール】
奥川純一/Photographer
某大学経営学部卒業後、ファッション写真の世界へ。PeeWee、Seventeen 、Zipper 、mc Sister、JUNIE、mina、装苑 、マリクレール 、SEDA、JILLE 、FUDGE、CUTiE などなどの雑誌たちからブランドのPOP、カタログ、冊子など(詳しくはHP「WORKS」参照)、から経験とともに手芸、料理、インテリアと専門的な分野に幅を広げながら出版社からの写真集をはじめ、セルフパブリッシングの経験を重ね、現在はほぼジャンルレスフォトグラファーになりつつあります。

2013 リトルプレス「ナポリタン、」
2017 写真書   「いいビルの世界 東京ハンサム☆イースト」*共著/大福書林
2017 リトルプレス「いつか熱海に行く時のために」
2018 写真集  「キャバレー、ダンスホール 20世紀の夜」
2019 リトルプレス「伊東駅徒歩圏内散歩」
2020 写真エッセイ「ひとくちサイズを大盛りで」
2021 写真集「wrapping paper」
2021 熱海のシティマガジン「熱海の編集室から」

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