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いつも本ばかり読んでいるわけではないけれど。
¥1,870
いつも本ばかり読んでいるわけではないけれど。 「盛岡」という響きの心地よさは、ユーミンから教わった。そこはまるで架空の場所のように感じていたけれど、大人になって身近な場所に変わった。何かと話題を耳にするようになった盛岡に、一度だけ仕事で行く機会があって、雪の降り頻る中、老舗宿の居酒屋に駆け込んで酒を呑んだ。あの時の冷たく美しい雪のことを思い出と、それはまるで架空のできごとのようにも思える。そんな「盛岡」のインデペンデントなブックストアの店主が、自分のことを書いた本。 40歳を過ぎて脱サラし、独立系書店をはじめた店主によるエッセイ集。 [ 版元のコメント ] 柳の下の二匹目のドジョウを狙う。 大ヒット作くどうれいんの『わたしを空腹にしないほうがいい』に続く出版物を作るということはつまりそういうことだ。 だから、いや、そうであるからこそ次が出せなかった。それは例えるならば最高のファーストアルバムを作ってしまったバンドの苦悩に似ているし、ルーキーが満塁ホームランを打ち上げた後にバッターボックスに入るベテラン打手の心境に近い。つまり、そういうわけで、次の出版物をリリースするのにおっかなびっくり三年もかかってしまった。 その間、のらりくらりと肩肘の張らない自分の好きなzineばかり作り、答えを出すことから逃げていた。そのうち、第二第三のくどうれいんから手紙と原稿が送られてくるようになった。だが、ぼくには彼らや彼女たちがくどうれいんのヒットという十字架を背負うこと、その彼や彼女の行く末を見届ける自信は正直なかった。 ある日、ぼんやりとしたイメージが浮かび上がった。そうだ、ぼくが自分の本を出せばいい。自分がプレッシャーを背負ってしまえば失敗しても誰かの出版物がコケるより楽ではないか。それで、その考えを早速実行に移すことに決めたらあとは早かった。ゲラが上がり、表紙が出来上がり、印刷製本のスケジュールが決まった。もう戻れない。もう引き返せない。本当にいいのか、お前。毎朝鏡に向かって語りかける。ああ、戻りたい。引き返したい。心のなかのもうひとりの弱気なぼくが呟く。 というわけで、当店の四周年記念プロダクト第二弾でもあり、BOOKNERDの出版部門として満を持して世に問う二冊目の本は、他ならぬぼくの本でした。ミーイズムの、自惚れの、独善の極致であります。 いつも本ばかり読んでいるわけではないけれど。 早坂大輔 1,870円(税込) 発行:BOOKNERD 仕様:68P/ソフトカバー/サイズ: 105mm × 178mm →BOOKNERD 新刊本・洋書・古書・レコード・CD・雑貨を、秩序があるようで無さそうに取り扱う、たまらなくアーベインで、なんとなくクリスタルな店 ※掲載商品は店頭でも販売されています。ご注文のタイミングにより品切れの可能性もありますので、その場合はご連絡いたします。
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わたしを空腹にしないほうがいい
¥1,000
わたしを空腹にしないほうがいい 版元のコメント 〈俳句をタイトルにしたエッセイ集〉 これは現代版『ことばの食卓』否『手塩にかけたわたしの料理』か? いいえ、彼女は"くどうれいん"。 モリオカが生んだアンファン・テリブルが書き散らしたことばと食物の記録。 はじまりはこうだ。 "わたしを空腹にしないほうがいい。もういい大人なのにお腹がすくとあからさまにむっとして怒り出したり、突然悲しくなってめそめそしたりしてしまう。昼食に訪れたお店が混んでいると友人が『まずい。鬼が来るぞ』とわたしの顔色を窺ってはらはらしているので、鬼じゃない!と叱る。ほら、もうこうしてすでに怒っている。さらに、お腹がすくとわたしのお腹は強い雷のように鳴ってしまう。しかもときどきは人の言葉のような音で。この間は『東急ハンズ』って言ったんですよ、ほんとうです、信じて ” 2016年6月の初夏、 そして一年後の2017年6月の心象風景。 くどうれいんが綴る、 食べることと生きることの記録。 くどうれいん わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版 第14刷 1,000 円(税込) 発行:BOOKNERD 仕様:78P/ソフトカバー/サイズ: 105mm × 150mm ※掲載商品は店頭でも販売されています。ご注文のタイミングにより品切れの可能性もありますので、その場合はご連絡いたします。
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坂卷弓華 寓話集
¥2,420
SUT ON-LINE STORE info・ 坂卷弓華 寓話集 ナンセンスとセンス・オブ・ワンダーのあいだ。 気鋭の画家による摩訶不思議なエイト・ストーリーズ。 本人による描き下ろし装画。前田エマ(モデル)による巻末特別エッセイも収録。 時間とは、すなわち生活なのです。そして生活とは、人間の心の中にあるものなのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなってしまうのです。 ーミヒャエル・エンデ リコウよりバカが英雄なのだ ー赤塚不二夫 「ええ。そうよ。なんかこうあるのよね。あの娘って、うつくしい子供なのよ」 ートルーマン・カポーティ 時間とは余暇だ。余分な、極めて余剰なことを考えたり過ごす時間を自らに引き寄せるようにして、そのような生活を謳歌している人間のことを巷では馬鹿というが、馬鹿という奴がほんとうに馬鹿で、利口より馬鹿が英雄なのだ(それでいいのだ。)。その時間に追われてあたふたしている奴には決して描けない絵があるように、手のひらからこぼれ落ちる砂のような物語をおいそれと誰もが書けるわけがない。彼女が描く絵とおなじように、やっぱり彼女が作る物語にも無垢でうつくしいたましいが宿っていると自分は思う。そのナンセンスとセンス・オブ・ワンダー、くだらなさと真理のあわいにあるものを一冊の本に閉じ込めて売ったならば、わたしたちのこのやせ細った毎日に潤いは生まれるのだろうか。 坂卷弓華 寓話集 2,420円(税込) 仕様:四六判・上製本、146ページ BOOKNERD 坂巻弓華(さかまきゆか) 画家、童話作家。寅年の獅子座。 猫飼いの熊好き。個展を中心に作品を発表。著書に童話『たんていくまたろう』とその続編『たんていくまたろうとちょうせんじょう 』がある 。 #坂卷弓華 #寓話 ※掲載商品は店頭でも販売されています。ご注文のタイミングにより品切れの可能性もありますので、その場合はご連絡いたします。
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本ばかり読んできたけれど。
¥1,500
本ばかり読んできたけれど。 何かに急き立てられるように、今まで生きてきた人生の自戒を込めて、ここ数年はほんとうに本ばかり読んできた気がする。かつては自分の体を通りすぎてゆくだけだったそれは、成分や滋養、それに少しばかりの毒が自分のなかに蓄積され、 腹にたまっていくようになった。だがそれは、読み手としての成熟とはいかず、ただいたずらに読むことの年月を重ね、歳を取ったことと、子を授かり、 親としての生育の義務を与えられたことが関係している気がする。 (本文より) 『羊をめぐる冒険』『夕べの雲』『娘の学校』『惑う星』……。生活、戦争、子育て、夫婦、商い、社会、環境、地球。ブルーにこんがらがったまま放り投げられた、惑いながら牛のように進むブックエッセイ。 BOOKNERD店主による、書き下ろし9篇(新聞連載3篇含む)を収録した、読書と思索を行ったり来たりする、日記のように書かれた読書エッセイ。 本ばかり読んできたけれど。 1,500円(税込) 著者:早坂大輔 B6判・48ページ BOOKNERD
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東京
¥2,090
ポケット写真詩集 『東京』 “そこは、わたしたちの街にはならない。わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえない。わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえず、わたしたちはそれにいくばくかの悲しみを覚える。(中略) わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえず、わたしたちはそれにいくばくかの悲しみを覚えながらも、悲しいというその事実を決してないことにはせずに、その場所に根ざすあらゆることを反芻する。わたしたちはその場所を、東京と呼ぶ。” 「東京」 ここで言う東京とは、東京という場所とは、けっきょくのところこの国の状態に対する比喩であると思った。この国の、すべての富が、すべての貧しさが、すべての鷹揚さと放漫さが、すべての資本と、すべての物質主義が、人間のあくなき欲望と、人間の愚かさが、そのあたたかみと精神的な気高さが、すべての田舎とすべての都市が、「東京」という言葉に集約されるとき、わたしたちはこの街に何を見るのだろうか。 新潟県出身(現在は東京在住)のMAIさんとAsako Ogawaさんと出会ったのはつい最近のこと。少し前に新潟で二人が開催したという小さな展示を記念した小冊子を見せてもらった。 「東京」とタイトルが印刷されたその小冊子に書かれていた前述のMAIさんの言葉、そしてどこにでもあるようで、どこでもない東京の風景を切り取るAsakoさんの写真に痺れ、久しぶりに一緒に何かを作ってみたいと思った。 その後、新潟から上京した二人と共に遠隔でやり取りをしながら、「東京」をテーマに一冊の写真詩集を作るべく動き出した。 東京、と言葉にした時に溢れ落ちるもの。地方都市に住む人間から見た東京。そこで暮らす者から見える東京の現在位置。きっかけは数ページの小冊子だったものが、まるでバンドのように何度もジャムセッションを重ねる二人の若者によって、いつの間にか120ページ以上のボリュームに膨れ上がった。 何年も何十年も読み継がれるような、エバーグリーンな佇まいを讃えたポケット型の判型の写真詩集『東京』。東京に暮らす人も、東京以外で生きている人も、東京という街を想う時に去来する、郷愁に似た不思議な感情と、好きと嫌いが入り混じるアンビバレントな思いを、20代の二人が写真と文章で掬い上げる。 BOOKNERD PAPERBACK LIBRARY第二弾 ポケット写真詩集 『東京』 2,090円(税込) 発行:BOOKNERD 仕様:ペーパーバック(178×105mm)/128ページ/サイズ: 105mm × 178mm →BOOKNERD 新刊本・洋書・古書・レコード・CD・雑貨を、秩序があるようで無さそうに取り扱う、たまらなくアーベインで、なんとなくクリスタルな店 →著者について 詩歌 MAI 、写真 Asako Ogawaの二人組で、2021年より創作活動開始。出版物に小冊子『東京』、写真歌集『待つほうじゃなくて探しにいくほうをいきていきたい浜百合 片手に』。出版毎に展示を開催し、来てくださる方々との交流を楽しみにしている。 (2022年・BOOKNERD) ※掲載商品は店頭でも販売されています。ご注文のタイミングにより品切れの可能性もありますので、その場合はご連絡いたします。
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ぼくの部屋においでよ
¥1,980
ぼくの部屋においでよ ひとりより、ふたりで聴くためのレコードガイド。 フリーソウル、サバービア、カフェ・アプレミディ、ディモンシュにひとり。90年代から2000年代にかけて存在したたくさんのレコードガイドをたよりに音楽の旅をしたかつての恋人たち、そして2020年代を生きる恋人たちに捧ぐ、甘くてほろ苦いレコードガイド。 ぼくの部屋においでよ 1,980円(税込) 発行:BOOKNERD 仕様:106P/ソフトカバー/サイズ:128mm × 182mm 〈執筆者〉 モトムラケンジ/京都のレコード店〈レコードショップ ジジ〉店主。 富永珠梨/北海道在住。2002年より選曲・DJ 活動開始。 早坂大輔/盛岡〈BOOKNERD〉店主。 〈寄稿者〉 松永良平(音楽ライター)、青木隼人(音楽家)、千葉幸平(チバハウス店主)、河村実月(文藝誌『園』 〈居間〉主宰)、玉山貴士(音楽愛好家)、田口杏奈(グラフィック・デザイナー) →BOOKNERD 新刊本・洋書・古書・レコード・CD・雑貨を、秩序があるようで無さそうに取り扱う、たまらなくアーベインで、なんとなくクリスタルな店
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コーヒーを、もう一杯
¥1,870
コーヒーを、もう一杯 版元のコメント コロナ禍以降ほんとうにありがたいことに、たくさんの人が遠方からうちの店を目指してやってきてくれる。せっかく来たのだから盛岡という街を楽しんで帰ってもらいたいと思い、よそから来た人たちにおすすめの飲食店や、この街に点在するおすすめの喫茶店をいくつか教えるようにしているが、口が達者ではないのでうまくそれらの店の魅力を伝えられず、いつも歯痒い思いをしていた。 どうせならば何かわかりやすい形でそれらの店の魅力や雰囲気を伝えることはできないのだろうか。あるときそう考えて、ガイドブックともいえない、盛岡の喫茶店にまつわる一冊の本を作ることにした。 ぼくは喫茶店の主でもなく、コーヒーの大家でもなんでもないわけで、コーヒーの味や種類なんかについてはてんで詳しくないから、コーヒーについて何かを書くことは難しい。でも喫茶をする場についてだったら何か書くことができるかもしれない。なにしろぼくが住んでいる街には「喫茶店」と呼ばれる場所がたくさんあるのだ。 "雨ふりでも、晴れていても、それが人生のどんな時期であろうと、その場所は誰かにとってのシェルターになりうる。無理に肯定しなくとも、大事なことを伝えなくとも、お茶を飲み、少し言葉を交わすだけで、人はまたどしゃ降りの雨のなかを歩いていけるのだ。" (本文より) BOOKNERD店主が考える、喫茶店からはじまる盛岡という街のツーリズム。 お気に入りの喫茶店7店舗プラスαにまつわるエッセイ、巻末企画「WHAT ARE YOU DOING THIS WEEKEND AT MORIOKA?」、コーヒーブレイクに聴くべきレコードガイド「COFFEE BREAK:28HOURS」も併載。 コーヒーを、もう一杯 1,870円(税込) 発行:BOOKNERD 仕様:72ページ/サイズ:B6判