
写真集『PROXEMICS』
目を閉じる
沈黙した言葉に
耳をすませる
環世界の旅
小さな祈りは
部屋を飛び出して
トンネルを抜け、揺蕩う
稀人
その時、
地は天となり、
神秘にふれる
持て余すほどの熱と
心がある
写真家小西弘晃の2作目となる写真集。
本書のタイトル「PROXEMICS(プロクセミックス)」とは、文化人類学者のエドワード・T・ホールが著書『かくれた次元』の中で社会的・個人的空間と人間によるその知覚との問題について、観察と学説のために用いた造語である。小西は、“空間における知覚”という視点から、スナップ写真を通して、自己と他者との距離感、延いては個人における社会との関わり方について考える。身体の外側にある世界と対峙するために「視覚」を一つの縁とし、社会の内側と外側を自由に行き来しながら、独特のスピード感を持って次々に被写体と邂逅していく。そして、あらゆる「分からなさ」を抱えながら、モノクロームのイメージとしてそのまま提示することで、鑑賞者を思考や記憶の旅へと誘う——。都市の深淵を覗く写真と言葉は、生きとし生けるものへ向けた自由と平和を願う小さな祈りとして響く。
空間に対する知覚を他者と共有することはできない。あらゆる情報をどのように受け取り、処理するかは個人に委ねられているからだ。
——それぞれが異なる感覚世界に住んでいる。
生きるとは常に「分からなさ」の中で彷徨い続けていくことなのかもしれない。それでも、自分以外のものに触れながら、コミュニケーションという方法を通して、考え、想像することはできる。
決して遠くへ探しに行く必要はない。それぞれが生活の中に存在する言葉を拾い上げていけばいい。
社会との関わり方はどこまでも自由だ。
視覚を一つの縁とした。
(あとがきより)
写真集『PROXEMICS』
2,200円(税込)
写真・言葉:小西弘晃
判型:154×216mm
頁数:44 頁
仕様:並製本、三つ目穴糸綴じ
発行年:2025 年
言語:日本語、英語
発行:私家版
小西弘晃 / Hiroaki Konishi
1998年、東京都生まれ。写真家。
音楽大学を卒業後、ゲーム・アニメ会社のサウンドクリエイター、サウンドディレクターとして勤務する傍ら、2023年より活動開始。2025年、東京四谷のGallery Niépceで個展「逢魔時」を開催。同年、写真集『City of Whispers』を出版。
「現実と異界が曖昧に交差する瞬間」をテーマに、モノクロームのストリートスナップ、ポートレート作品を展示やZINE、写真集等で発表している。
【ご注意】
※送料について
複数ご購入いただく場合、組み合わせ方によっては、それぞれの商品に送料がかかって計算されてしまう場合がございます。梱包の際に一つに収まる場合は、多くいただいた差額分を決済時に調整させていただきます。1つの梱包に収まらない場合は、個別でお送りさせていただきますので、計上通り精算させていただきます。
※掲載商品は店頭でも販売されていますので、ご注文のタイミングにより品切れの可能性もあります。
※オンラインストアではギフトラッピングのサービスを行っておりません。
※ご注文の商品は、店頭価格の値札のついた状態で納品書兼領収書を同封してお届け致します。
¥2,200