City of Whispers
【発行元コメント】
日本の写真家・小西弘晃の作品集『City of Whispers』。
小西は1998年、東京都生まれ。音楽大学卒業後、ゲーム・アニメ会社でサウンドクリエイター、サウンドディ レクターとして勤務をする傍ら、2023年より写真家としての活動を開始します。モノクロームのストリート スナップ、ポートレートを中心に、「現実と異界が曖昧に交差する瞬間」をテーマに作品を発表しており、 本書は、初の作品集となります。
音楽がルーツである作家ならではの、「音」を頼りに独特の視点で撮影された写真は、どこか非現実的であり、あらゆる自明性の外へ私達を誘います。作中の随所に存在する、時間や場所の感覚が不透明になるよう な、ある種の「不快さ」を伴う体験は、退屈な現状を打破する重要な要素となり得るのかもしれません。一 貫して、人の知覚やプロクセミクスの多様さ、可能性の拡張を試みる挑戦的な態度が窺えます。
印象的な白と黒、光と影の表現は森山大道、川田喜久治といった日本写真界の巨匠に対するリスペクトを感 じつつ、AI時代における写真というメディアのリアリティを問う新しさが同居しており、現代を生きる若い 世代が持つ、静かなエネルギーを感じる一冊となっています。
朝、目が覚めると微睡の中で昨日の夢から今日の現実が徐々に押し寄せてくる。
本来あらゆる可能性に開かれている世界で、"変わり映えのない日常"として生きる以外の選択肢がふと頭をよぎる。
しかし、そういった考えはすぐにどこかへ消え去り、日常に引き戻される。
声にならない心の叫び は、暗渠のように蓋をされ、地表からは見えなくなる。
日々の連続によって時間が、この肉体が有限である ことをすっかり忘れてしまう。
私は、写真を撮る必要があると思った。
社会に登録された存在である限り、"ここではないどこか"への希求が止むことはないだろう。
根源的な生き る力は、めまいに似た体験=自明性の外に出ることによってもたらされるからだ。
自由を求め、ひたすら街やストリートに散りばめられた「異界」との接続点を探す中で、人の知覚はもっと 複雑で多様なパラメータによって構成されていることに気がつく。
私にとって、一番の手掛かりとなるのが「音」である。
街の記憶が声となり、風となり、何かをそっと囁く時、この世界からの抜け道が開かれる。
City of Whispers
2,750円(税込)
仕様:A4(210 × 297 mm)・中綴じ・64ページ
出版社:私家版
発行年:2025
判型:182 x 257 mm
頁数:56頁
製本:ソフトカバー
言語:英語、日本語
写真:小西弘晃
小西弘晃 / Hiroaki Konishi
1998年、東京都生まれ。写真家。
音楽大学を卒業後、ゲーム・アニメ会社のサウンドクリエイター、サウンドディレクターとして勤務する傍ら、2023年より活動開始。2025年、東京四谷のGallery Niépceで個展「逢魔時」を開催。同年、写真集『City of Whispers』を出版。
「現実と異界が曖昧に交差する瞬間」をテーマに、モノクロームのストリートスナップ、ポートレート作品を展示やZINE、写真集等で発表している。
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